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オリジナルBL・百合小置き場

BL「運命の子拾いました」(4)

「運命の子拾いました」(4)



あの日拾った悪魔のリクくん。リクくんと再会し、魔族とのマッチングアプリと天使を紹介してもらった。
マッチングアプリに登録している魔族のプロフィール画像を見てみると、なるほどなかなか魅力的である。やはり今まで恋愛でピンと来なかったのは、人間の顔立ちに恐ろしく興味が持てなかったせいだな。

何人か、気になる人とやりとりをする。
それと同時進行で、天使による「恋」のレクチャーを受けていた。


「いいですか、愛とは一方通行のものではありません」
「愛し愛されて、やっとカップルが成立するのです」
「相手には誠意をもって接してください。相手には相手の気持ちや事情があります。自分のしたいことだけするなんてことはいけません」


ふむふむ、大変勉強になる。


「カイさん、リクくんと自分がうまくいかなかった原因はなんだと思いますか」
派遣されてきた天使のカイさんに教えを乞う。
「うーん、やはり自己紹介もなしに、自分のやりたいことばかりやったからじゃないですか。怖がられても仕方ないと思いますけど」

なるほど、そういえば自己紹介はしていなかった。ただただ相手と繋がりたいがゆえに連絡先を無理矢理交換しようとしたり、手を出そうとしていた。これはいけないことのようだ。

「がっついていた、というやつでしょつか」
「そうでしょうね」
「大変怖がらせてしまった」
「残念ですね。次からは気を付けてください」

次。
確かに今、色んな魔族と連絡を取っている。近日中に実際会ってみる予定もある。しかし……

「リクくんが一番好みなので、是非ともリクくんの連絡先が知りたいのだが」
「……結構しつこいですよね。粘着質というのも頷けます」
「一途というものではないのだろうか」
「いや、粘着質だと思いますよ」

呆れたようなカイさん。うーむと考え込み、嬉しい提案をしてくれた。

「……まあ、僕の仕事は愛と幸せを運ぶことですから、あなたにも幸せを提供したいところではあります。一度、リクに連絡先をあなたに教えてもいいか、確認をとってみましょうか」

なんと。それはいい。

「断られる可能性も十分高いですからね。期待はしないでくださいよ」
「問題ない」
「もしだめでも粘着しないでくださいね」
「……はい」
「心配だ……」

では、次回までにリクに確認しますから。ひとまず他の魔族との交流を頑張ってください。

そう言って、カイさんは天界へ帰っていった。
希望はある。それだけでドキドキする。
とにかく今は、学んだことを生かして魔族との交流を図ろう。何事も経験だ。

そう決めて、恋活をがんばるのであった。



結果から言えば、全滅だった。
魔族ということで、自分の好みの顔が多かった。しかし、いまいちぴんとこない。

ぴんときていないことが相手にも伝わったのであろう。どの相手とも気まずく、うまくいかなかった。
相手を怖がらせたということはなかったと思う。変態と言われることもなかった。カイさんのおかげで、自分もそれなりに成長はしているらしい。

それが分かっただけでもいいか。そういう気持ちでいたとき。なんと、リクくんから連絡が来た。

歓喜
どうもリクくんからの説得により、メッセージのやりとりくらいならしてもいいと言ってくれたらしい。

早速メッセージを送る。
「リクくん、連絡をくれてありがとう。今さらになるが、自分は間宮和成といいます。35歳で、証券会社に勤務中です。またリクくんのプロフィールも教えてくれないだろうか。返事待っています」

送信。
自己紹介、ちゃんとできた。あとは相手の反応を待つだけだ。わくわくしながら待っていたが、なかなか既読がつかない。
やはり嫌われたのだろうか。がっかりしていたところ、メッセージの送信から一週間後くらいにリクくんから連絡がきた。

「かずなりさん、こんにちは。僕はリクです。どうせ僕の身分証見ただろうから細かい紹介は必要ないですよね。返信が遅かったり、既読スルーも多いですが、それでもよければ連絡くださっても構いません」

ものすごく冷たい反応だった。……たしかに身分証とかめっちゃ見たので、リクくんの年齢も誕生日も知っている。
でも、連絡することは許してもらえたので、どんどんメッセージを送ろうと思う。
……一日一回に抑えなければ。カイさんの教えを思い出す。変態ストーカーと呼ばれたくはない。できるだけ紳士的に、誠実に、しかし情熱をもって頑張ろうと思ったのであった。