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オリジナルBL・百合小置き場

BL「魔王様の恋活」おまけ

「魔王様の恋活」おまけ


1
「魔王とより戻した」
「わ~おめでとう~!」
「離婚したときはどうなるかと思ったが、ハッピーエンドでよかったな」
「ハッピーエンドかどうかは死ぬまでわかんねーよ。人生の幸せは日々の積み重ねだからな」
「深いねえ」



2
「魔王の誕生と寿命ってどうなってんの」
「前の魔王が消滅したら自動的に次の魔王が発生する。寿命は自由だな。消滅したいときに消滅できる」
「へえ~」
「過去に、魔界の統治がめんどくさすぎて三日で消滅した魔王とかいるからな。かなり自由だな」
「そう思うと、1576年も魔王やってるってのは長い方なのか」
「まあそうだろうな」
「すげーなお前」
「えへへ」

「唐突にキャラ変えるのやめろよびっくりしたわ。えへへてお前」
「ついうっかりカミールの口調が移った」
「お前カミールと知り合いなのか?」
「まあ一応」



3
「おーいカミール、お前魔王と知り合いなの?」
「えっなになに嫉妬?ねえ嫉妬なの?嫉妬からの挑発セックスから仲直りセックス??」
「裕太おまえカミールを止めてくれ」
「俺にはもうどうにもできない」

「なんの話だったっけ」
「お前と魔王は知り合いなのかって話」
「あー、一応王族紹介したときに連絡先交換したんだよー」
「なるほど」
「それで、どうすれば恋愛がうまくいくかとかいう相談に乗ったりしてた」
「……どんなこと教えたんだ?」
「……嫌な予感」

「それはもう『ピー』で『ピー』『ピー』の『ピー』がいいよ!って」

「R18にもほどがある!!」
「でも魔王様って1576歳でしょ、18禁とか余裕で読めるじゃん」
「確かに」




4
今日は、魔王と会う日だ。
ひとまず駅前で待ち合わせをしている。魔王なので本当は魔界から人間界のどこへでも現れることができるのだが、恋人っぽいことをしたいが為にわざわざ混雑した駅前で待っているのである。

ぼんやりしていると、どこからか悲鳴が上がり、周りの人たちが青い顔をしながら走り去っていった。おっ、来たな。

「おーっす。えらいおめかししてんな」
「まあ……大事な日なので……」

魔王は黒い鞣し革でできたローブを羽織っていた。肩には金の装飾。靴も金のブーツで、まあとにかく魔王感ばりばりにでていた。だれがどうみても魔王である。

「角も磨いたのか?今日超きれいじゃん」
「ご両親にお会いするということで……身だしなみを整えるべく角磨きの店に寄ってから来た……」

青い顔をした魔王。いつもより凄みのある顔である。そりゃみんな逃げるわ。

「お前緊張してんの」
「バーカ緊張などしておりません」
「敬語じゃん、緊張してんだろー」
「してないと申しております」
「手え繋いでやろうか」

差し出した手をぎゅっと握ってくる魔王。手、汗でべちゃべちゃである。

アウトロー中のアウトローである魔王をこんなに緊張させる相手。

それは、うちの両親である。
今日は、俺と魔王との再婚を報告する日なのだ。

波乱万丈の予感。



「おう坊主、久しぶりだな。」
「ハイ……」
「身綺麗にして、今日はどっか行くのか」
「イエ……」
「とーさん、俺こいつと再婚しようと思うんだよね」
「是非とも認めていただきたく……訪問した次第であります……」
「ハァ?????」

その後の展開は想像にお任せするが、結果として魔王は3発殴られ、もう二度と俺を悲しませないという書状に血判を押させられていた。血判て……

「しかし坊主、2年でだいぶ成長したようだな」
「ありがとうございます……」
「まあまあだな、父としてはOKを出そう」
「母もOK」
「最後に一番大事なのは誠司、おまえの気持ちだ。親がなんと言おうと、結婚の意思には介入できない。結局本人たちが決めることだからな」

どうだ?と目で聞いてくる父。不安そうな魔王。
「俺もOKだな。結婚したい。今の魔王なら信頼できると思うし、信頼をより強くしていくこともできると思う」

言い終わった瞬間、魔王はえーんと泣いた。子供かよ……と思いきや、父もえーんと泣いていた。これが大人泣きというやつか。

「今度の式も、いい式にしましょうね」
母が話しかけてくる。
「そうだな。人間界でするか魔界でするか、そこから決めなきゃならないし、忙しくなりそうだ」


愛し愛された関係だ。できるだけいい式にして、いい関係を保って、幸せをだったと満足できる人生を歩みたい。
今日はその一歩を、確実に踏み出した日なのだと感じた。