9×9

オリジナルBL・百合小置き場

百合「抱いてください」(3)

「抱いてください」(3)



あれから1ヶ月。週に3~4回ほどミカさんの晩ごはんを作りに通っている。それから、週1でセックス。

はじめてのときはびくびくしたものだが、普通に抱いてくれたので、慣れた。なるほど事に及ぶときのミカさんはこんなかんじなのか……とか思いつつ、週1で付き合ってもらっている。あの雑な性格に似合わず、ベッドでは丁寧で普通に気持ちよいです。


まあ、それはさておき。
わたしは自宅と会社とミカさんの家をせっせと移動し、ご飯を作っている。
ちなみにマネージャーである黒川さん公認である。でしゃばってしまって、怒られるかと思っていたけれど、逆にお礼を言われてしまった。今までの苦労がうかがえる……

というかんじで、1ヶ月。問題が発生した。

「肥えた」

ミカさんの体重が増えたのである。
今まで、ろくに食べず、仕事とセックスばっかりやっていたミカさん。食事をちゃんと取るようになったので、健康的な体つきになってきていた。

「肥えたっていうか、今までがガリガリだったんですよ……とはいえ、アイドルという仕事上、体重の変化は気になるところですよね」
「ちょっと太るだけでネットで大騒ぎされるからほんとうざい」
「あれは最悪ですよね。滅せよと思いつつ見ています」
「過激派ファンだ」
推しが理不尽で悪質な誹謗中傷を受けているのは見過ごせないタイプなので」

うーむと考える。栄養バランスには気を付けていたが、カロリーについても考えねばならない。低カロリーで栄養バランスのよいもの……

考え込むわたしをよそに、ミカさんはとんでもないことを言い出した。

「セックスの回数増やす?」
「唐突になんですか!」
「運動量増えるじゃん。前はもっと回数やってたんだけど、今は週1だし」
「……ん?ということはわたししか相手いないんですか」
「今はね」

どうも、以前は複数の人と関係を結んで、適当に週3くらいセックスをしていたらしい。本人いわく「あれはただの運動」とのこと(これを聞いたとき、わたしは黒川さんの苦労に思いを馳せ涙した)。

「どうせ運動するなら気持ちいい方がいいじゃん」
「分からなくもないですけど……わたしは無理ですよ、会社と自宅とミカさんのお宅往復して、セックスも増えるとなると流石にダウンしちゃうんで」

ふーん、とつまらなさげなミカさん。

「ここに住めば?」
「はい?!」
「住み込みでやればいいじゃん。終電気にせずセックスできるし」
「そんなにセックスしたいんですか……」
「うん」

相変わらず精力的である。
しかし、住み込みの提案は大変ありがたいものだった。ファンだから、世話焼きだからというだけじゃやっていけなくなりそうなくらい、最近の生活はきつかった。

「じゃあお言葉に甘えて……」
「同棲で決まりね。引っ越しいつにする?」
「そこまで本格的なんですか?」
「やるならきっちりしたい性格だし」
「そうでしたね……」

ということで、同棲が決まった。


「ちなみに、もしわたしとミカさんが同棲してるのがばれたら、わたしのことなんて説明するんですか」
「セフレの家政婦」
「それはあかんやつ」

「友達で、せめて友達でよろしくお願いします」と頼み込み、どうにか理解してもらって同棲が決まった。

……絶対ばれないようにしよう。「セフレの家政婦」としてゴシップ誌に載るのは勘弁だ。


そう心に決めて、お引っ越しをしたのであった。