9×9

オリジナルBL・百合小置き場

BL 「A君はお怒り」

Aくん、怒る

ある日突然、友人から告白された。

「今まで男と付き合うなんて考えてもみなかった。おれはホモじゃない。でも、お前のことを好きになってしまった。男だとか関係ない、お前が好きだ」

べしーーーん!!!
おもいっきりしばいてやった。なんてむかつく告白なんだ!

「ホモじゃないとか、ホモフォビアを内面化した男と誰が付き合うか!ホモじゃない~とか言い訳しなきゃ俺と付き合えないのか!?情けない都合の良いやつだな!」
「Bくんは僕がゲイであることも、自分が同性をすきになったことも受け入れられていない。そんなやつと付き合うなんてことしたくもないね!」


一通りキレた後、告白は断って帰った。僕は、「自分はホモじゃないけど……」とかいう言い方が嫌いだ。むかつく。大体ゲイではなくホモって言ってる時点でダメ。無理。
この溝は、「恋愛」でごまかせるものではない。


実は、少なからずBくんを好きな気持ちはあった。ヘテロセクシャルだから、望み薄かな~とおもっていたときの告白。嬉しかった。でも、だからといってあんな告白はない。「ホモ」を嫌ったまま、「ホモ」である僕と付き合おうとか、意味わかんない。お互い嫌な思いをすることになって終わりだ。

くそー、折角の告白だったのに。Bくんもっとしっかりしてくれよ!なんて古い考え方なんだ。ださい!


不完全燃焼だ。あーあ。
なんなら、僕がBくんに教育するのはどうだろう。放っておいても成長するとは思えない。

ちゃんと理解させて、納得の上付き合ったらいいのでは?

ということで、僕のBくん教育指導計画ははじまったのであった。



一日目
次の朝、学校について一番にBくんのところへ話に行った。
「おはよう、Bくん。」
「……おはよう。昨日の今日で、傷心なんだけど」
「それはごめんね。でも伝えたいことがあったから」

ぶすーっとした表情でこちらを見るBくん。ほっぺたは、僕が叩いた跡で赤くなっていた。怒りに任せてやりすぎたな。反省する。まあそれはさておき。

「ぼく、Bくんのこと好きだよ。でも、いまのBくんとは付き合えない。同性愛に対するBくんの認識は甘すぎる。お互い傷ついて終わりになんてしたくないから」

だから、学んでほしい。

Bくんはびっくりしたようだった。

「お前、俺のこと好きなの」
「まあまあ」
「なのに付き合ってはくれないのか」
「うん」
「……勉強すれば、いいのか」
「うん。Bくんが内面化してしまっているホモフォビアに気づいて、認識を変えてくれるなら。受け入れられるようになるなら。」
「……ホモフォビアってなに」
「同性愛者嫌悪のことだよ。たぶん、Bくんは自分が同性愛者であることを拒否している」
「……そうかもしれない。でも、分からない。難しいな。」
「それはこれから勉強しよう。僕が教える。」

俯いてしまっていたBくんははっとしてこちらを見た。

「お前が教えてくれるの」
「うん。だって僕だってBくんと付き合いたいよ。そのための努力は、僕もする。僕もちゃんと勉強してBくんに教えるよ」

Bくんは期待に満ちた顔をした。

「これからも交流はしてくれるんだ。」
「うん」
「勉強も教えてくれる」
「そうだよ」

Bくんはにっこり笑って、「よろしく」
と言った。

勉強することについて、Bくんに拒否されることも念頭に置いていた僕は、思ってもみないよい展開に少し驚きつつ、「僕もよろしくね」
と答えた。

そうして、Bくんと僕の勉強は始まったのである。


「ひとまずホモって言葉を使うのは止めてほしい。あれは侮辱の言葉だから。」
「そうだったのか……知らなかったとはいえ、昨日はごめん」
「いいんだ。知っていってくれれば。今度からゲイって呼んでね。」
「わかった」

そうして、1日目は終わったのである。