9×9

オリジナルBL・百合小置き場

百合「magic of love」(2)

「magic of love」(2)


一目見て思った。

「恋が始まりそう」
「女の勘ね」

すぐさま返ってきたフレーズに運命を感じた。ああ神様、Perfume様、ありがとう!!運命の人に出会わせてくれて!!ありがとう!!

Perfumeのライブの日。わたしは友人と、友人の友人で参戦することになっていた。友人の友人とは初対面で、どんな人か気になっていたのだけれど、これはすごい。好みにドストライクである。しかもハロオタ。化粧の感じからするとKPOPにも詳しそう。

モーニング娘。さんのファンなんですか?」
すこし硬めの声。すっとした見た目通りの声で、ぞくぞくする。

ガキさんが好きで」

内心小躍りしながら、しかし努めて普通を装い答える。

「なるほど。じゃあ生田衣梨奈ちゃんとかもお好きで?」
「はい、お好きです」
「わたしも好きなんです。すごく綺麗でかわいいですよね」

この人、やっぱりDDだな。ということは話のネタは尽きない。よし。いつでも準備オッケー。まずは個人情報の収集から始めよう。

「えっと、お名前……」
「ゆかです。」
「ゆ、ゆかさん!!!わたしあやかなんです」
「あやかさん!!!!ちなみに妹さんとかいらっしゃったり……」
「います、しかも名前さやかなんです」
「さやかさん!!!!」

やばい、運命ですよこれ!すごい!!盛り上がりながら、掴みはばっちりだなと確信した。こんな名前をつけてくれたお父さんお母さんありがとう。ああ感謝してます。一生懸命恋します。あと友人もありがとう。持つべきは友達。ゆかさん最高に好みだった、いつかお付き合いすることになったら一番に報告するからね。



「ということで、実は一目惚れだったんだよ~」
「ふーん。あんた名前があやかでほんとよかったよね」

違う名前だったらどうでもよかったわ。

ゆかとであってはや5年。お付き合いするようになってからは3年が経つ。
普段のゆかは物静かで結構冷たいところがある。初対面の時の興奮ぶりは滅多にないことだったのだと後から知った。余程わたしの名前に運命を感じたらしい。それもどうかと思うけど、まあ結果オーライなので、きっかけはどこでもいい、とはいえ。

「名前だけで好かれてたとは」
「いじけないでよ」
「いじけてない……ん?いじけないで……??いじけないでなに???」
「いじけないでほら……あの……」
「あの!?」
「……ちゃんと好きだから」
「わたしもすきいいいいいい!!!」

ちゅーっとほっぺたにキスをする。ああ、本当に神様Perfume様ありがとうございました。わたしは運命の人と出会えてとても幸せです!!

「はっぴねーす!」
「……なぜこんな子を好きになったんだろう」
「恋のゲームはYou can't control!ハートがB-B-Beatとしてるでしょ!」
「……まあね」
「あらやだ今日は素直ね!この流れでロックエロティックし」
「しない」
「しないのかー」

でも幸せなのでいいんだ。愛あらばit's all right!

「……ところでさあ」

にこにこしているわたしに、いつになくそわそわとした様子で話しかけてくるゆか。

「夏じゃん」
「そうだね!見上げる空青い海」
「この前父さん母さんに大切な人ができたのですと報告してきて」

まさか。

「夏だし」

まさかまさか。

「結婚しない?」

まさかだった!!
「する!!!!!」

食い気味に答えたわたしに、ほっとしたように笑いかけるゆか。思わず泣きながら「ハッピーサマーウェディング!!!」と叫ぶわたしを、そっと抱き締めてくれた。