9×9

オリジナルBL・百合小置き場

百合「magic of love」(1)

「magic of love」(1)


カラオケの室内。
Perfume繋がりで知り合った友人が歌うのを聞いている。

「甘い恋と愛を描いてキミのことトリコにするの」
「magic of love そんな魔法がもし使えてもドキドキできるの」


「あのさあ、これ、ほんとにドキドキできると思う?」
唐突に歌うのをやめ、聞いてくる友人。

「できるでしょ」

だってわたしは、恋の魔法を使ってでもトリコにしたい相手がいる。ドキドキしながら、魔法が使える日を待っているのだ。

「恋は前傾姿勢なので。使えるものは全部使ってがんがんいく」
「なるほどね」

カラオケのディスプレイの中で、Perfumeが躍り歌う。そこに向けられる友人の熱い視線を、すこしでもいいからこちらに向けて欲しい。

「マジックは使えなくても、レーザービームは使えるしね。」
「そうだね。サプライズを待っていてもしょうがないもんね。自分次第だしー」


「ということで」
突然、友人がこちらを見た。初めて見る、真剣な眼差し。
彼女の人差し指が、すっとこちらをむいた。


「今わたしからはレーサービームがでています」
「……レーザービームですか」
「こころがしゅわりとしませんか」

しゅわり。

「いきなり、どうしたの」
「いや、やらなきゃきっと変わらないと思って」
「なるほど」


少し、考える。
そうしている間に友人はわたしの方に距離を詰めてきた。


「タイミング見計らって 思いきって距離を詰めて 言葉に出さなくっちゃ 今しかない、と思いましてね」


「な、なるほど」


しゅわしゅわ、わたしの心はいつだって弾んでいる。もう、ずっと前から。


「弾けるような恋、しませんか」
「……世界で一番好きだなんて、言えないけど」

ひねくれたわたしの答えに、友人はにこりとした。


「ねえ、明日はどこへ行こうか」
「……心地よい場所、探しに行くのはどうでしょう」
「じゃあ、ナチュラルに肩を寄せ合って、映画を見るなどはいかが」
「赤い靴はいてお出掛けするのもいいね」
「キミといると行き先はどこも特別に変わるから」


「じゃあ明日の予定は勝手に立てとくからね」

にこにこする友人の視線に心がしゅわしゅわ。わたしも、恋の魔法が使えるようになったのかな。もしそうだったら、嬉しいんだけど。