9×9

オリジナルBL・百合小置き場

百合「彼女の髪の毛」

「彼女の髪の毛」


彼女の髪の毛は美しい。さらりとしていて、つやつやで、すこし生え際に癖があるスタイル。肩甲骨までさらりと伸びた髪はとても魅力的で、ついつい触ってしまう。

「今日の髪も素敵ですねえ」

彼女の髪の毛を撫でながら言う。なんなら匂いも嗅いでしまう。だっていい香りがするから。
いい匂いのする髪の毛をするする撫でながらくんくん匂うのは、至上の喜びである。最高。
ちょっと変態っぽいかな、と思いつつもやめられない。彼女の髪の毛はとても魅力的で、わたしはその魅力に逆らえないのだ。朝学校で会って一番にするのが髪の毛をくんくんすること。とても落ち着く。

彼女の方は、いやがりながらもわたしがべたべたすることを拒否しない。だから調子にのってくんくんくんくんしてしまうのだ。

「あーあんたの髪の毛は素晴らしいな、日本一だよ」
「大袈裟すぎ。ていうか誉めるとこそこしかないの。もっと他のところもあるでしょうよ」

そっけない態度の彼女。でも、誉めるとすこし嬉しそうにしているのがかわいい。

「髪の毛以外だったらー、わたしがべたべたしても怒らないし、なんだかんだ優しいしー、なんか親友って感じ?」
「ありがたいお言葉だけど、お前は親友だったら無差別に髪の毛を匂うのか。下手したら変態だぞ」

つれない態度。でも喜んでるのは分かる。だってわたしたちは親友。友愛で結ばれた存在のちょっとした動作は見逃さない。
実は、彼女がわたしのためにヘアートリートメントを頑張ってくれているのもしっている。とても嬉しいことだ。

「ふっふっふ、お主の髪はほんとうにきれいだなあ」

そう言うわたしに、彼女は、「あんたも綺麗じゃん」といってくれる。そしてわたしの髪の毛もくんくんしだした。

「なるほど、これははまるかもしれない 」

そうして、わたしたちは髪の毛をくんくんし合う仲に発展した。晴れた日の窓際で、隣通しで髪の毛をくんくんし合うわたしたち。周りから見たら変かもしれないけど、わたしはとても幸せだ。彼女も幸せだと思ってくれるといいんだけど。